SETAC-Jの活動
SETAC-Jの活動理念
日本では高度経済成長時に、日本の国力増大そして国民の所得の増大と引き換えに、美しい自然環境の破壊と多くの健康被害者をつくりだすという負の歴史を経験しました。
その痛ましい経験から、産・官・学が文字通り一体となり美しい日本を取り戻す活動は確実に成果をもたらしています。この活動は日本が世界に誇れる大きな財産となっています。
一方、近隣のアジア諸国では目覚しい経済発展とともに過去の日本がたどった負の道を走り始めています。
SETAC-Jは、SETAC-Asia/Pacificの下部組織として、日本が培ってきた環境マネージメントの多岐にわたる分野の多くの専門家が集い、日本及び東アジア地域のさらなる環境対策研究・技術・手法の協力的発展に貢献することを目的に設立されました。
SETAC-Jは、以下を目標とし、日本国環境省、国際協力機構、日本貿易振興機構や、国内企業などと連携した環境保全に対する科学的、社会的アプローチ体制を日本及び東アジア地域で展開します。
SETAC-Jの目標
- 環境科学に関する研究、教育、交流及びトレーニングを推進します。
- 化学物質管理やその他の環境負荷物質に関する学際的環境科学の活用を推進します。
- 交流のためのフォーラムや多くのセクター、異なった学問分野にまたがる、さらには環境問題に基づいた多国間の専門家間相互交流の場を提供します。
- 適切な生態学的、経済的及び社会的側面を考慮し、持続可能な環境のための原則及び実践を発展させます。
- 新たなプログラムや会員に提供するサービスなどを展開するために、SETACの財政的安定性と財政的能力を向上します。
SETAC-Jの活動内容
【環境政策立案(規制基準等)への支援】
- 日本の環境基準等施策を参考にした、東アジア各国の実情に即した導入と運用
【国内実施計画立案への支援】
【環境保全施策に資する科学的ツール導入への支援】
- 環境負荷物質モニタリング
- 排出インベントリの整備
- 発生源解析(レセプターモデル、CMB法、PMF法など)
- 化学輸送モデルや拡散シミュレーションを利用した汚染状況の予測・推定
【環境リスク評価】
【環境対策技術】
【市民、行政、産業への意識啓発活動】
- ショートコーストレーニングなどの基礎教育
- ワークショップ開催などによる環境教育や情報共有
SETAC-Jの主な活動内容
SETAC-Asia/Pacificおよび日本国環境省と連携した
- 環境保全協力・近隣諸国での人材育成ワークショップ開催等
- 企業の環境推進CSRの運用紹介・課題提起
- 各専門家の縦断的討論・意見交換の場の提供
- 環境管理基礎教育のための支援
SETAC及びSETAC-Jの活動戦略
ゴール1: 理解、管理及び環境中の負荷物質の改善に関する学際的研究の推進
目的1:極めて重要な研究や立てられた仮設の検証及び問題解決の推進
- 戦略A 評価、管理、改善及び持続的な研究に対して支援し、強化する基礎科学と新たな知見の融合を発展させる
- 戦略B 新たな研究構想、提案に対する要求及び会員に対する助成機会を通知する
- 戦略C 発見や問題解決に係る重要性の高い知見や業績の通知や表彰を通じて、優秀な研究を評価する
目的2:教育及び訓練の推進
- 戦略A 教育フォーラム及び会員や市民に対する資料を作成する
- 戦略B 経済的負担が困難な、発展レベルの低いあるいは発展途上地域の人材に対する短期の教育機会を増やす
ゴール2:
産官学の専門家及び多国家間の相互交流のための検討会の開催とポリシーメーカーと市民に対する科学的知見の普及
目的1:重要な科学的課題に取り組み、また活動領域を均衡化するハイレベルな国際会議、地域会合の開催
目的2:洗練された科学の多分野テーマに関するワークショップやシンポジウムの有効性の向上
- 戦略A ワークショップや特定のシンポジウムの質を維持、向上させる
- 戦略B ワークショップや特定シンポジウムの要旨を機関紙、書籍、ニュースレターなどを通じて迅速に周知させる
目的4:SETACの科学領域のポリシーメーカーや広範な聴衆とのコミュニケーション
ゴール3: 行政との連携によるSETACの専門的知識の決定権者への情報提供
目的:データの取得あるいは収集、そのデータの適用及びポリシーメーカー、規制担当者及びその他の意思決定者に対して有用な情報を提供する
- 戦略A 政策や規制策定支援のための専門家による評価を経た情報の普及を目的としたフォーラムを開催する
- 戦略B 化学物質管理及び持続可能な項目に係る国際機関との戦略的な連絡窓口を継続的に務める
- 戦略C ポリシーメーカーへの支援を実施する
- 戦略D ライフサイクルアセスメント(LCA)、環境影響アセスメント(EIA)及び生態影響アセスメント(ERA)に資するために必要とされるあらゆる科学的知見を包括する
ゴール4: 会員へのサービス及びSETACの活動をより高めるための学習機会の提供
目的:SETACの組織的有効性を持続する活動を行う